Highwood Passから歩き始めて、少し森を抜けると、突然目の前が大きく開ける。
ぐるりと岩山に囲まれた、すり鉢のような谷。
初めは、「短い距離でロッキーの高山帯を感じられる場所」でした。
この形が昔ここにあった氷河によってつくられたこと。
足元の岩には、はるか昔この場所が海だったころの痕跡が残っていること。
そんなことを知ってから、同じ景色が少し違って見えるようになりました。
Ptarmigan Cirque Hiking / 氷河がつくった谷を歩く
Ptarmigan Cirqueは、Kananaskis CountryのHighwood Passにあるループトレイル。

難易度:★★☆☆☆
基本的には整備されたハイキングトレイル。最初の登りが少し急です。
体力度:★★☆☆☆
距離は約4.5km。長距離を歩かなくても高山帯まで行けます。
この山の好きなところ
森を抜けた瞬間に景色が変わること。
ラーチの森、森林限界、岩山、カール。短い距離の中で、ロッキーの高山帯をぎゅっと歩けます。
歩くなら夏から初秋。でも、私が特に好きなのは9月のラーチの季節です。
基本情報
| 場所 | カナダ・アルバータ州 Kananaskis Country / Highwood Pass | ||
|---|---|---|---|
| 標高(登山口)/標高差 | 約2200m/約210m | ||
| 距離 | 約4.5km loop | ||
| 所要時間 | 1~3時間 | ||
Ptarmigan CirqueはPeter Lougheed Provincial Parkにある公式のInterpretive Trailです。
アクセス・駐車場
| アクセス | Banff中心部から車で約1時間30分(Highway 40 経由) | ||
|---|---|---|---|
| 登山口 | Highwood Pass(Highway 40 沿い) | ||
| 駐車場 | 専用駐車場あり。 | ||
| トイレ | 駐車場にあり。 | ||
Google Mapはこちら
※ このエリアはカナナスキス・コンザベーション・パス(Kananaskis Conservation Pass)の対象です。
車1台につき有料で、オンラインまたはビジターセンターで購入可能。
※Highwood Passへ向かうHighway 40には冬季の季節閉鎖もあるので、出発前に道路・トレイル状況を確認してください。
電波が弱いので事前にAllTrailsで『Ptarmigan Cirque』と検索してダウンロードしておくと安心です。
車が必要な場所のため、レンタカーの予約はTrip.comを利用していました。
登山レポ
- 登山日:2026年8月3日 ☀️(前日夜に雪)
- 所要時間:2時間30分
Highwood Passから歩き始める

Highwood Passは標高約2,200m。車を降りた時点で2000mを超えています。
歩き始めてしばらくは森の中。途中途中に、インディアンペイントブラシやグレイシャーリリーが見れました。

距離だけ見ると簡単そうなのですが、最初は意外としっかり登ります。でも長くは続きません。
少しずつ木が低くなり、空が広くなってきます。
そして森を抜けると、目の前に開ける大きなカール地形。ここがPtarmigan Cirqueで一番好きな瞬間です。
森林限界を歩く

このあたりまで来ると、大きな木が少なくなります。
よく見ると、まっすぐ伸びていない木もあります。
枝が片側だけに伸びていたり、地面に押し付けられるような形になっていたり。これは強い風、雪、寒さの中で育った木。
高山帯で見られるこうした矮小化した樹木は**krummholz(クルムホルツ)**と呼ばれる。
ドイツ語で「曲がった木」。
冬の長いロッキーで生きるって結構大変かも。
そして、氷河がつくったCirqueへ

目の前に現れるのがPtarmigan Cirque。Cirqueは、日本語ではカール(圏谷)を意味する氷河地形。
今歩いている、この広い谷。昔はここに氷河があった。
今はないのに、こんなに地球を形作るなんて。
山の上に、海の痕跡
さらに面白いのが岩。このあたりでは、昔の海に暮らしていた生き物の化石を見ることができます。
ここで見られるのは3億5000万年以上前のサンゴなどの化石。
ロッキーの面白いのは堆積岩ってところ。それも海の底だった。
ここが昔は生物がたくさん暮らす楽園のような海だったなんて信じられない。
地球のスケールって、本当に信じられない。
Ptarmiganはどこ?
そして、忘れてはいけない。
名前にもなっているPtarmigan(ライチョウ)。
このエリアにはWhite-tailed Ptarmiganが生息しています。
夏は岩や植物に溶け込むような茶色。
冬になると白い羽に変わります。
私はここで本当に出会いました。まだまだ小さい赤ちゃんも。

ほかにもColumbian Ground Squirrel、pika、Big horn sheepに出会いました。
もちろんBearやMarmotがいることも。
山を知ると、景色が少し変わる

Ptarmigan Cirqueは、ものすごく長いトレイルではありません。
大きな山頂に立つわけでもない。
それでも私は、この場所が結構好きです。
ラーチを見る。
変な形の木を見る。
岩の中の化石を見る。
そして、目の前の大きな谷が昔の氷河によって削られたことを想像する。
ただ「綺麗だな」と思っていた景色の中に、少しずつ物語が見えてきます。
同じ景色がちょっと違って見える。
Ptarmigan Cirqueは、そんな場所です。
装備メモ|私のパッキングリスト
標高が高い分、意外と寒かったり、意外と暑かったり。
夏場は午後から天気が崩れやすいことも。
気温が下がることがあるので、薄手のレインジャケットと防寒着を必ず持っていきます。
ベスプレーも忘れずに。


山旅のヒント
- アルパインラーチの紅葉を見るなら9月
- ループは時計回りで回るように案内があります。反対周りは厳禁。
- 電波はほぼない、オフラインマップを事前に準備。
- Kananaskisはクマの生息地。ベアスプレーはすぐ使える位置に。
- Highway 40の開通時期を確認。冬は基本クローズ。道路の通行状況も。
- Kananaskis Conservation Passを忘れずに
ロッキーを知る、そんな山 
ちょっと背景を知るとちょっとだけ違って感じる。結局、世界は面白くて、とっても美しい。



山の上に、海の痕跡
