
カナディアンロッキーを歩くなら、いつがいいんだろう。
夏が短いこの場所では、ほんの数週間違うだけで、山の景色が驚くほど変わります。
6月はまだ雪の残るトレイル。
7月になると高山帯まで緑が広がり、お花が咲き誇ります。
8月は長いトレイルを歩くのが楽しい。
9月にはラーチが黄色く染まり、その少し後には山の上に雪が戻ってくる。
「一番いい季節は?」と聞かれることがあるけれど、正直ひとつには決められない。
歩きたい山によっても違うし、見たい景色によっても違う。
この時期ならここがいいな、って思う山を考えてみました。
その季節はどこを歩く?



6月|まだ雪の残る、山の春
バンフの街では緑が増えて、日によっては半袖で歩けるくらい暖かくなります。
でも、まだまだ寒い日も。山の上にはまだまだ雪も。
森の中では新しい緑が増えているのに、その向こうには真っ白な山。
この季節のロッキーには、春と冬が同時にあるようなそんな感じがします。
春がきたと思ったけど、やっぱり寒い。まだ冬を感じる。
高い山や長いトレイルはまだ歩きにくいことも多いので、私はこの時期なら無理に標高を上げるより、少しずつ夏に向けて体を慣らせるようにのんびり歩きます。
この時期に歩きたい

バンフの街から歩ける、ロッキーの最初の一歩。
青い湖と岩山を楽しめる、キャンモアの定番トレイル。
渓谷と滝を歩く。その先には不思議な色のInk Potsも。


7月|短い花の季節が始まる
7月になると、山の世界が一気に広がります。雪解けが進み、高い場所まで歩けるようになる。
森の中だけではなく、森林限界を越えた先の草原や峠へも。
山の斜面には緑が広がり、短い夏に合わせるように一斉に花も咲く。
私は7月になると、少し長いトレイルへ。山の奥で静かに芽吹いてたお花が見たいです。
この時期に歩きたい

森を抜け、高山植物の咲く草原へ。
Lake Agnesのその先へ。Lake Louiseを見下ろす展望の山。
今日はピークに立ちたい。キャンモアの街とBow Valleyを見下ろす。


8月|一番自由に山を選べる季節
8月は、私の中では一番「どこへ行こう」と迷える季節。
高い場所の雪がかなり減り、長いデイハイクや稜線歩き、バックカントリーまで選択肢が広がる。
日もまだ長い。朝早く出れば、少し遠い場所まで足を延ばせる。
蚊も少なくなってきた。
ロッキーをしっかり歩きたいなら、この時期はやっぱり楽しい。
この時期に歩きたい

展望の良い稜線歩き。夏のKananaskisを楽しむ一日。
歩いて、泊まって、また歩く。山の中で過ごしたい場所。
バンフを見下ろす。夏に挑みたい長いスクランブル。


9月|ラーチが黄色くなる、短い秋
9月になると、空気が少し変わる気がします。
夏より朝が冷たくなり、山の色も少しずつ落ち着いてくる。
そしてカナディアンロッキーの秋といえば、ラーチ(カラマツ)。
常緑樹の多い山の中で、ラーチだけが黄色く染まる。
黄色にきらきら輝くのが本当に綺麗で、この季節が一番好き。
だから9月にロッキーにいるなら、ラーチのある山を歩きたい。
この時期に歩きたい

黄色い谷を抜けて、その先のSentinel Passへ。テンピークスを眺める。
氷河がつくったカールをあるく。化石と動物も。
ゴンドラで一気に標高2000mを超える。高山帯に広がる草原。


10月|歩ける山を探す季節
10月になると、「秋のハイキング」というより、山はかなり冬に近づいている。
街ではまだ雪がなくても、山の上は白い。
前の週まで歩けたトレイルが、雪でまったく違う姿になっていることもある。
冬みたいに寒い日もあれば、夏が戻ってきたって日も。
だからこの時期は、どこへ行きたいかより、今どこを歩けるか。
この時期なら

雪の少ない低標高のトレイルや、バンフ・キャンモアの街から近い山を選びます。
Tunnel Mountainのように短時間で歩ける場所なら、天気を見ながら出かけやすい。
ハイキングは寒いから、ドライブでアスペンやラーチの紅葉を見に行くのも好き。
夏と同じ感覚で高い峠や長いトレイルへ行くのは難しくなってくる。
でも、雪をかぶった山を見ると、冬が来るのが嬉しくなる。


カレンダーより、今の山を見る

気をつけたいのは、「7月だから雪がない」「9月だからラーチが黄色い」と、カレンダーだけで決めないこと。
雪の量や気温によって、山の季節は毎年少しずつ違う。結構違う。
同じトレイルでも、一週間で状況が変わることもある。
だから出かける前には、トレイルコンディションや天気を確認します。
昨日まで夏だった山に、今日は雪が積もっていることもある。8月に雪が降ることも。
季節が変わるたび、また歩きたくなる 


カナディアンロッキーの夏は短い。だからなのか、山の景色がどんどん変わっていく。
6月の雪。7月の緑とお花。8月の長い一日。9月の黄色い紅葉。そして、また雪。
同じ山でも、季節が違えば別の場所みたいに見える。
しんどいだけの時もあれば、天国のような光景が見られることもある。
蚊に怯えることもあれば、羊の群れに囲まれることもある。
いつも違う景色を見せてくれる。それが山の面白さなのかもしれないです。






















