標高3,544m。
カナディアンロッキーで特別な登山技術を使わずに登れる最高峰のひとつ。
そこには、登った人にしか分からない静寂と、息を呑むような世界。
Mount Temple ハイキング

Rui’s Memo
難易度:★★★★★
特別なギアを使わずに登る山の中では最難関レベル。
ただのハイキングではなく「スクランブリング(手を使って岩を登る)」が必要です。
ルートファインディングも慣れていないと難しい。初心者の方にはおすすめしません。
体力度:★★★★★
累積標高差は約1,700m。標高3,000mを越えると空気が薄くなることにも注意。
おすすめ度:★★★★★
山頂から眺めるモレーンレイクやテンピークスのパノラマは、言葉にできない美しさ。
基本情報
| 場所 | カナダ・アルバータ州 カナディアンロッキー、レイクルイーズエリア、モレーンレイク奥 | ||
|---|---|---|---|
| 標高 | 3,544m | ||
| 距離 | 往復 約16km | ||
| 所要時間 | 8〜12時間 | ||
モレーンレイクの北側にあるのがMount Templeです。Sentinel Pass Colから右に折れてTempleを目指します。ちなみに南に10個の山が。これが有名なTen Peaksです。

途中迷いやすいので事前にAllTrailsで『Mount Temple』と検索してダウンロードしておくと安心です。
ベストシーズン
7月中旬〜8月の残雪が消えた夏がおすすめ。年によっては雪解けが遅く、7月でもちょっと危ない場合も。
私が訪れた時は9月中旬でしたが雪が積もっていました。でも、次の週は溶けてました。タイミングが大事。
雪があると難易度はずっと上がるので天気をよく確認しましょう。
アクセス・駐車場
| アクセス | バンフの街からモレーンレイクまでは車で30分の距離。ただし、一般車は乗り入れ不可のため、一般的にはバスでのアクセス。詳しくは後述。 | ||
|---|---|---|---|
| 登山口 | モレーンレイクからラーチバレー方面へ。 | ||
| 駐車場 | レイクルイーズ駐車場を利用。そこからシャトルバスでモレーンレイクへ | ||
| トイレ | モレーンレイクのトイレが使用できます | ||
Google Mapはこちら
レンタカーの予約はTrip.comを利用していました。
モレーンレイクのアクセス方法|Moraine Lake
Mount Templeの登山口は、世界一美しい湖とも言われるモレーンレイク(Moraine Lake)」にあります。
モレーンレイクへ続く道は一般車両の通行が禁止されているため、公共サービスまたはツアーなどを利用する次の3つの方法になります。
| 出発場所 | 料金目安 (往復) | 特徴 | |
| Parks Canada shuttles | Lake Louise/ Lake Louise Ski Resort Park and Ride | 約8ドル | 最も一般的で安い ※早朝のバスだけ、駐車場が違います |
| Roam Public Transit | Banff / Lake Louise | 約25ドル | Lake LouiseからParks Canada のシャトルバスを利用。 出発が遅くなるのでおすすめしません |
| ガイド ツアー | Banff | 約100〜200ドル | 移動+観光がセット |
Temple登山は行程時間が長く、下山後もバスの時間に間に合わせる必要があるので朝一に出発しよう。
パークスカナダのシャトルバスを利用する|Parks Canada shuttles
パークスカナダのシャトルバスがレイクルイーズからモレーンレイクまで往復運行しています。レイクルイーズまで車で行く場合はこの方法。予約はすぐ満席になってしまいますが、2日前から追加座席を予約できます。
モレーンレイクで朝日を見れるように夏の間だけ、朝4〜5時くらいのバスが運行しています。
Mount Templeに登るなら朝一のバスに乗ること。
通常このシャトルバスを利用する場合はレイクルイーズスキー場に車を停めますが、早朝バスの場合はまだスキー場駐車場がOPENしていないので、レイクルイーズの駐車場に車を停めます。(駐車場代42ドルかかります)
2日前の午前8時(MDT) ぴったりにアクセスした時はいつも追加座席を予約できました。
公共バスのSuper passを利用する|Roam Public Transit
早朝にモレーンレイクに到着できないので、基本的にはTemple登山の場合はこの方法は選べませんが、モレーンレイクまでのアクセスとして紹介します。
Roam Busのルート8Xはバンフの街からレイクルイーズまで常時運行しているルート。
Roam BusのSuper passはこのルート8Xのレイクルイーズまでのバスと上記Parks Canadaのシャトルバスの乗車がどっちも可能になるチケットです。(予約必要)
モレーンレイクとレイクルイーズの往復シャトルはSuper passを持っていればいつでも乗車可能。
バンフの街から車を使わずにモレーンレイクまで行けるのでとっても便利。
Roam Busでは秋の紅葉のシーズンだけ、バンフの街からモレーンレイクまでの直行バスを運行しています。
ガイドツアーまたはプライベートシャトル
民間のシャトルサービスやガイドツアーなどの商業車は通行を許可されています。
- Moraine Lake Bus Company
- Fairview Limousine
- Mountain Park Transportation
少し割高ですが、一番確実に好きな時間帯でアクセスが可能。
テンプルマウンテンは早朝出発が大事なので、早朝のバスが取れなかった場合はこの方法。
登山レポ
- 登山日:2024年9月13日 ☀️
- 所要時間:10時間30分
3:30 レイクルイーズ駐車場に到着
3時にBanffを出発。Parks Canadaのシャトルバスを利用するからといつも通り、レイクルイーズスキー場の駐車場に入ろうとしたら道路に通行止めのポールが。どうしよう!?
早朝バスに乗るのは初めてだったので焦りました。仕方ないのでレイクルイーズに直接向かいます。そうすると何台かレイクルイーズ駐車場へ向かう車がいたのできっとこっちだと信じながら駐車場へ。
良かった、駐車場がOPENしていました。毎日満車になるまではレイクルイーズ駐車場は開いている見たいです。確かに早朝誰もいないのにわざわざスキー場からレイクルイーズまでシャトルバスに乗る必要はないか。
そんなことを思っていたら周りがザワザワ。オーロラです。オーロラの時だけは最新のiPhoneが羨ましくなる。

レイクルイーズ駐車場から4時発のシャトルバスに乗り込みました。
4:30 モレーンレイクからラーチバレーへ
早朝のモレーンレイクはまだ真っ暗。熊もまだ眠っていることを祈って出発です。暗くてどこにいるのかもわからないけど、ヘッドライトを頼りにひたすら登ります。物を音がするたび、クマ!?
急登のスイッチバックが落ち着き、きっとここがラーチバレーなんだろうなと思いながら歩きます。星が綺麗。

6:30 Sentinel Pass ColからMount Templeへ
2回目の急登をしばらく登るとヘッデンのライトがいくつか見えます。ここがMount TempleとSentinel Passの分岐点Sentinel Pass Col。少し休んでこう。あれ、なんだか思っていたより寒いかも。う!雪が見える。
いよいよスクランブルといわれるTemple登山の核心部分。
一歩一歩進みますが、あまりにも大きな山の小さな一歩。だけど、山で迎えた朝があまりにも綺麗。

8:30 怖くて引き返し…青年に助けられる
とにかく進んでいたけど、急に道もわかりづらい。道のペイントや踏み跡を頼りに道っぽいところを上りますが、ついにどっちに行っていいかわからない。話には1箇所岩を乗り越えないといけない、わかりづらい場所があると聞いていたのできっとそれ。
踏み跡を辿っていくと間違えました。きっとみんな迷ってる。
ちょっといきたくないなっていうところをスクランブルで登ります。雪で岩が滑りそうで怖い。

とにかく怖かった。でも…そうこうしていたら一人の青年が通りかかります。彼が手を貸してくれました。

雪で逆に後半は歩きやすかったのかもしれません。それでも、道も見えないし、雪は雪で大変で。終わりが来ないかと思った道もあと少し。

11:00 山頂へ
あんなに怖かったことも、あんなにしんどかったことも一瞬にして吹き飛んじゃう。

山頂に立った瞬間の気持ちはなんとも言えない。
途中から一緒に登ったような登っていないような彼がいなかったら引き返していたかも。
山頂で一緒に喜んだあの瞬間は忘れられない。
下山も雪が嫌だったけど、登りほどではなかったです。
登るときに苦労した場所も思っていたよりは問題なく通過できました。

14:00 ラーチバレーへ|Larch Valley
ちょこちょこ息はつきながらも、雪もあったのであまり休憩せず降りてきました。
登ってきた時は真っ暗で見れなかったけど、10ピークスに囲まれた絶景です。
ラーチバレーも人気のハイキングコース。葉っぱも色づき始めていて綺麗でした。

帰り道、すれ違った現地のお姉さんに「どこ行ってきたの?」「Templeに登ったよ!」
そしたら” You are so brave! Amazing! “ってめっっちゃ誉めてくれたこともいい思い出。
15:00 モレーンレイク駐車場|Moraine Lake
何度来ても目を奪われるモレーンレイクの青い湖。たくさんの観光客に囲まれて無事に帰ってきたことに安堵しながら、Banffまで帰りました。
P.s ピザとビールで乾杯|Coyote
この日はピザで乾杯。どこにいくか迷ったけど気軽に入れるのがCoyoteです。
もし夜ごはん何食べようか迷っているなら、カナダのピザを食べてみて。

装備メモ|私のパッキングリスト
標高の高さ、岩登り、雪の可能性、急斜面と他に比べて難易度も高い。
山頂を目指す場合はしっかりとした装備が必要です。
ヘルメット
テンプルマウンテンは落石が多いエリアです。スクランブルで登るときも頭上に岩があることもしばしば。
軽アイゼン
雪があるかもしれないとは思っていたけど、まさかあんなにあるとは。軽アイゼンを持って行って本当に良かった。
バックパック
日帰りハイキングは15-25Lがおすすめ。
防水/撥水のジャケット、レインウェア
山頂付近は木もなく、強風が吹くことも。また予想しない雨が降ることもよくあります。軽量でコンパクトな防水/撥水ジャケットがあると便利です。
防寒着(フリースやダウンジャケット)
夏だと思って上着を持っていかないと山頂は寒い。標高が高く、強風になる可能性も。
水(2L)と軽食(ナッツやバー)
水は個人差がありますが、1.5〜2L程あると安心です。プラティパスがやっぱり使いやすい。ハイドレーションのものだとザックを下ろすことなく水が飲めるのでとっても便利です。
行動食にはトレイルミックスが食べやすくて好きなので、いつも携行しています。
トレッキングポール
後半はずっとガレ場(=岩がゴロゴロしていて滑りやすい場所)なので、トレッキングポールがあると歩きやすいです。特に下りは膝の負担軽減になります。雪道でも助けられました。
日焼け対策グッズ|帽子とサングラス
真夏のカナディアンロッキーは晴れの日も多く、日照時間も長いため、強い日差しにさらされます。日差しにさらされることで体力も消耗するので、帽子やサングラスは使用しましょう!
ベアスプレー
人気のエリアがではありますが、クマはどこにでも現れる可能性があります。地元民の中には普段から携行する人もいるほど、クマと人の距離が近いエリアです。必ず携行するようにしましょう!
ベアスプレーはバンフやキャンモアのタウンでのレンタルがおすすめです。
山旅のヒント
- 何があるかわかりません。早朝のバスを利用しましょう。
- 登山に慣れていない人は行程時間を12時間以上見積もって。
- ヘルメット必須。雪の対策も。
- 道がわからなくなったら引き返す勇気を。
- ガレ場は迷いやすい。オフラインマップを事前に準備。
- 熊が出やすいエリア、ベアスプレー必携。
- 時期によっては4人以上のグループ行動が義務付けられるので、当日の看板を必ずチェック。
- 冬は基本クローズ。雪の状況も確認。
山頂まで行くならしっかりした装備と体力が必要です。自分に合わせた計画を。
自分を乗り越えていく、そんな山へ
やっぱりかっこいい。やっぱりあの山に登りたい。実力も気持ちも全てが整った時、山が受け入れてくれる気がする。
旅の準備にぜひ記事内または下記のアフィリエイトリンクをご活用ください。
あなたの旅が素敵なものになりますように。